食文化の融合「ハイナン・チキン」と「フッケン・ミー」

picgシンガポールの人口の75%は中国系、所謂「華僑」の人々。残りの25%がマレー人、インド人など。
それぞれの文化の“融合した街”であり、チャイナ・タウン、リトル・インディアなど固有の文化を色濃く残す、“入り混じった街”でもある。食文化も同様で、各国独自の味の伝承もあれば、各国の味が溶け合ったシンガポール独自の味もある、独特な食文化だ。

典型的な溶け合った料理がこの二皿。「フッケン・ミー」と「ハイナン・チキン・ライス」。中華料理の影響を受けながらも典型的なローカル・フードですから、日本で言えば「ソース焼きそば」とか「オムライス」あたりだろうか。クラーク・キーあたりの屋台にも、ホテルのレストランにもあるのがちょっと違うところだが。たしかに、不味くはないけど、私は特に「また食べたい!」と思う味ではない。

麺がちょっと太めの塩やきそばで、海老とか野菜がたっぷりはいっている、「フッケン・ミー」…「福建麺」と書くのだろうか。「ハイナン・チキン・ライス」…これは、「海南鶏飯」なんだろうな。蒸した鶏にソースがかかっている。自分で説明していながら、どうもノリが悪いのは、いずれも妻が大好きで、西荻窪にある「ハイナン・チキン」専門店を発見し、「うわぁいっ!食べに行くよ!」と宣言されているから。

沖縄のちゃんぷるー文化、韓国の混ぜる食文化、妻はこれらにめっぽう弱いのだ。私も泡盛や韓国焼酎ほどではないにしても、ゴーヤ・チャンプルも、ビビンパも、好物だ。でも、「ハイナン・チキン」は、…さほど食べたいとは思わない。私と妻の食の好みは近いし、分け合って食べることが多いのだけれど、稀にこんなこともある。お互いの親元にいた十数年間、別の食文化の環境下にあり、嗜好が形成されたのですから当然と言えば当然。そんな二人の好みが混ざり合って、影響しあって新たな食文化が形成される。…でも、「ハイナン・チキン」は、なぁ。…西荻窪ねぇ。

Comments are closed.

002184382

SINCE 1.May 2005